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陸・海軍礼式歌
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作詞 楓仙子


桜井特務曹長は
二十余りの部下と共
弾薬兵糧その外の
品を護衛し大估なる
営地に急ぐその途中
見るや林の中よりも
誰とも知らず発砲す
さては敵兵ありけるよ
油断なしぞと言う間さえ
嵐は庭の木の葉より
繁げく族がる土民共
その数凡そ数千人
手に手に武器を携えて
余さじもと打ち立てる
曹長少しも騒ぎたる
気色もあらぞ号令し
僅かの兵を一つにし
命惜しまず向かい合う
敵は小勢と侮りて
ますます猛く迫り来る
こちらは僅か二十人
敵に比べて九牛の
一毛だにと足らさせれど
死を恐れざる日本武士
曹長剣を打ち振りて
諸君の命貰うたり
一人たりとも生きてまた
還る心を持つなかき
所詮は一度は死ぬ身なり
多くの敵と亙り合い
戦死をなさば軍人の
名誉この上あらざるぞ
死ねや死ねやと励まさば
いずれ心一つになし
敵の只中縦横し
同じ枕に死にたるは
目覚ましかりけるとなりき
ああ勇ましの戦死なり
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