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陸・海軍礼式歌
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作詞 力石徳太郎


豊島以来尾を巻きて
逃げつ隠れつ潜み居る
卑怯未練の敵艦を
偵察なしで遇えば是非
微塵にせんと我が艦は
大同江を出発す

真っ先駆けて吉野艦
続く高千穂秋津州
少し離れて浪速艦
これを案内に松島が
旗艦となりて率いしは
千代田の後に厳島
橋立比叡扶桑艦
赤城西京十二隻

岬を回り島を経て
北に南に乗り回る
実に勇ましき堅陣は
風伯恐れて息を呑み
龍神縮みて音を閉づ
空は緑に波青し
ここ黄海の北の果て
やがてぞ見ゆる大孤山
北を遥かに眺むれば
煤烟一朶空にあり

すわれや清国北洋の
艦隊来れり出遭いたり
愉快を叫ぶ将校の
眉目は喜色に包まれぬ
水兵共は熟練の
技量をここに表さん
腕を擦りて静まりて
満艦寂と音もなし
静かに破る号令は
部署に付けのただ一声
全速力の我が艦は
敵近々と猛進し
有効距離となるや否
忽ち放つ第一砲
是を始めに敵味方
互いに劣らぬ砲撃は
千雷走り万雷の
轟き渡る恐ろしさ
一天晴の戦いも
陣形崩れぬすわやすわ
進めと乗り込む単縦箋
怒龍の翻り隙もなき
我が急撃に敵艦は
勢い挫け力抜け
沈みつ焼けつ座礁しつ
堅固の梯はらはらと
跡白波と消え失せぬ
残る敵をば追撃し
廟島包む朝霧を
払って帰る日の旗は
わが国光を黄海の
浪に染めけりいつまでも
天地の尽きん時までも
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