陸・海軍礼式歌
頃は健治の四年とや
俊宇多帝の御時に
元の夷が十万の
兵に将とし艦軍
筑紫に向けて航り来る
勢力武く大海に
鯨の荒るる如くなり
この時北条時宗は
元の使いを三度斬り
皇国の御稜威落さじと
短兵急に攻め立つる
日本刀の雷光と
花の都は荒れ果てて
何処かわが身の置き所
今宵一夜の宿頼む
桜の露に袖濡れて
滅亡ここに極まりて
平家の末ぞ悲しけれ
妾人ばらの謗りにより
諌めの言容られず
二人ともなき賢臣は
筑紫の浦のわび住まい
御衣を拝せし涙なる
心の底は如何ならん
我が君今は賊のため
遠き島路に行き給う
無念の心やるせなく
十字を印す桜木の
我が赤心申さんに
杯か多言を要すべき
月の光や花の香や
幾万年を経るとても
更に変わりはなきなるに
常なきものは世の治乱
月を見て酔い花を見て
眠れる春の手枕の
只一場の夢の間に
うつる荒廃存亡の
世の成り行きぞ無常なる
上より民を苦労させ
国の乱るるその時は
月の光は輝くも
花の色香は匂うとも
など楽しみのあるべきぞ
されば世間の諸人よ
今より真心引き起こし
国の光を東海の
月よりも尚輝かし
国の誉れを御吉野の
花よりも尚芳しく
するこそ今の勤めなり
誓いて斯くもなせじ後
楽しき月見をしてみたや
楽しき月見をしてみたや
俊宇多帝の御時に
元の夷が十万の
兵に将とし艦軍
筑紫に向けて航り来る
勢力武く大海に
鯨の荒るる如くなり
この時北条時宗は
元の使いを三度斬り
皇国の御稜威落さじと
短兵急に攻め立つる
日本刀の雷光と
花の都は荒れ果てて
何処かわが身の置き所
今宵一夜の宿頼む
桜の露に袖濡れて
滅亡ここに極まりて
平家の末ぞ悲しけれ
妾人ばらの謗りにより
諌めの言容られず
二人ともなき賢臣は
筑紫の浦のわび住まい
御衣を拝せし涙なる
心の底は如何ならん
我が君今は賊のため
遠き島路に行き給う
無念の心やるせなく
十字を印す桜木の
我が赤心申さんに
杯か多言を要すべき
月の光や花の香や
幾万年を経るとても
更に変わりはなきなるに
常なきものは世の治乱
月を見て酔い花を見て
眠れる春の手枕の
只一場の夢の間に
うつる荒廃存亡の
世の成り行きぞ無常なる
上より民を苦労させ
国の乱るるその時は
月の光は輝くも
花の色香は匂うとも
など楽しみのあるべきぞ
されば世間の諸人よ
今より真心引き起こし
国の光を東海の
月よりも尚輝かし
国の誉れを御吉野の
花よりも尚芳しく
するこそ今の勤めなり
誓いて斯くもなせじ後
楽しき月見をしてみたや
楽しき月見をしてみたや
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