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陸・海軍礼式歌
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敵の要害遼陽城や
固き保塁八重にも築
二十余万の兵をば集め
蟻の通わん隙間もあらず

城も固かれ多かれ兵も
やがて落さん撃ち尽くさんと
勇み勇めるますらお武夫
三手に分かれて北へと進む

中に右翼は弓張嶺の
月に銃剣揃えて迫る
敵は弾丸射下ろすのみか
岩を落として手強く防ぐ

されどついには湯河の谷に
入りて蠢く袋の鼠
かくて両断すれども敵の
左右の翼はなお張る力

尽くせ尽くせ苛てど彼の
砲火夜を日に継ぎても絶えず
かつや篠衝く大夕立に
山は煙りて攻むるに迷う

されど怯まぬ我がつわものは
やがて紅沙の嶺をば奪い
さらに大西溝辺占めて
いよよ破竹の勢い猛し

中央左翼も相連なりて
夜も眠らず攻めつつ進む
孟家房より首山保かけて
込むる硝煙飛び散る火花

戦半ばに下りし勅語
泣いて拝する士卒の心
君の御為と疲れも忘れ
息のある間は進めと奮う

ついに堪えず退く敵を
太子河岸に追い詰め撃てば
人の波湧く遼陽城や
停車場辺り逆巻く炎

今や敵軍死に物狂い
我も勤めを果たさで置かず
己が手傷を縛りもあえず
友の屍を踏み越え進む

十日継続戦線十里
史にも見えざる大激戦の
果ては九月の四日の朝
落ちぬ遼陽遼陽落ちぬ

落ちぬ遼陽遼陽落ちぬ
呼べや万歳万歳呼べや
国を挙りて喜び歌い
祝う灯火地上の星か
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