舟唄人生

作詞　清水みのる
作曲　倉若晴生

若い船頭さん水の上
泣くも笑うも水の上
聞いて下さいこの胸を
幼馴染のお月さん

棹して流して日が暮れりゃ
俺もお前も川の鳥
雨の降る夜はほろほろと
共に歌うて暮らそうよ

俺も行きたや戦いに
利根で鍛えたこの腕で
見事乗り切る揚子江
見てて下さいお月さん

街の宝石

作詞　佐藤惣之助
作曲　菊池博

朝の駅から鈴懸樹の
青い舗道いそいそと
純な瞳よ小麦の肌よ
若い正気は溌剌光る
君は真珠か街の宝石
僕等の光

ビルの仕事も青春の
生きる夢楽しく
愛の微笑よタイプの音よ
共に働く時局の仲も
君は紅玉か街の宝石
僕等の星よ

ラッシュアワーの黄昏は
街の灯も輝き
楽し家路よ春吹く風よ
胸の菫もそよそよ揺れる
君はダイヤか街の宝石
僕等の月よ

黄昏の駅で

作詞　佐藤惣之助
作曲　佐々木俊一

街に灯の点く黄昏の
駅のベンチで汽車を待つ汽車を待つ
送り送られ故郷へ
暫し別れもまた楽し

若い希望に燃えながら
会社通いの明け暮れに明け暮れに
君と嬉しく懐かしく
行き来したのもこの駅だ

明日は故郷で応召し
僕も元気に生きるから生きるから
君も都会で働いて
時が来るまで待つが良い

さらば都会よ街の灯よ
君よ暫くさようならさようなら
今度来る時軍服の
伊達な姿を見せてやろ

蒙古の花嫁さん

作詞　久保田宵二
作曲　古関祐而

可愛い淡紅ベールで隠し
嬉し恥ずかし蒙古の花嫁さん
駒の鬣真白に揺れて
空にきらめく金の鞍

萌えて緑の祈祷の丘に
何を願うか蒙古の花嫁さん
乙女名残の真珠の夢が
髪に裳裾に揺れて散る

赤い帽子が灯影に匂う
花の蕾の蒙古の花嫁さん
包は七色衣装の波に
月も微笑む夜が更ける

燃ゆる人生

作詞　高橋掬太郎
作曲　山本芳雄

楡の木陰に駒止めて
一人仰いだ遠い空
若い命を大陸の
風に任せて今日も行く

馬車の鈴音遥々と
響く広野の日暮れ時
燃ゆる思いを抱けばとて
なぜか寂しや旅心

暗いランプの灯の下で
便り書こうか故郷へ
明日の希望に夜は更けて
夢は飛ぶ飛ぶ幾山河