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陸・海軍礼式歌
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作詞 藤原貞吉


トン数僅か六百の
小艦なれど乗り組みは
鬼神に恥じぬ勇者のみ
清国一の定遠と
外に数艘の大艦と
相手になして奮戦す

一船百有余人の士
共に決死を盟いつつ
敵の弾丸降り来る
中を畏れず突進し
舳に荒波蹴破りつ
艫に白波踏み立てて
縦横無尽に駆け破る

その勢いは凄まじく
海龍王の荒れたるも
かくやと計り思われん
されども敵は多数なり
飛び来る弾丸もおびただし
艦に当たって砕くれば
肉飛び魂も天に逝き

この世からなる焦熱の
苦喚にか揺る鯨波
友撃たるれど見返らず
身は傷付けど物とせず
ただ艦長の号令を
守りて退く事もなく

前後左右に荒回り
敵艦数多傷つけて
その艦も共に傷つきぬ
されど屈せぬ官庁は
身を檣頭に転々つつ
敵艦眼下に見下して
敵は清国第一の
大艦なれば万一に
味方が打たれ果つるとも
さらに名折にあらなども
乗り込む奴は豚尾兵
艦の駆け引き知らぬ奴
ただ一打ちに沈めんも
強ち敵とならず
いでや屈せず打ちかけよ

敵を指揮する大将は
清国一の海将と
名を得し丁の汝昌なり
よし定遠は沈めずも
丁汝昌をば討ち取れと
号令なせば人々も
応と答えて発射砲
弾込めなして定遠の
司令塔にて軍令を
伝えつつある汝昌をば
目掛けて八方なしければ

的違わず破裂なし
汝昌はその場に倒れたり
我等が望み早足りぬ
いでこの上は定遠に
当って生死を決すべし
進め進めと軍令し
今や敵艦一打ちと
進む折柄いずこより
飛び来しものか榴弾の
足元に砕け砲煙の
消ゆると共に艦長は
名誉の戦死遂げにける
屍体は飛んで海上に
唐紅に紅葉咲き
かくと見るより一人の
水兵海を望みつつ
艦長敢え無く成りたる
武運の極め是非もなし

この上屍体を失わば
長く武門の恥辱なり
せめて屍体は取り揚げて
亡き雄魂を慰めんと
言いも終わりず舷を
蹴って逆巻く水中へ
身を躍らして飛び入りつ
程なく屍体を引き揚げし
この水兵の働きは
また艦長が死を決し
敵の大将討ち取りし
その功名を幾千代の
後に至るも消えぬなり
海洋島の海黒く
星は闇路を照らすとも
ただなき人の口惜しさは
目指す敵艦沈めざる
恨みと知れどやがて今
その敵国を斬り靡け
亡魂を慰めん
時は近くにあるならん
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旅順落しにし先々の
戦は破れ渤海の
鎖鑰と頼める威海衛
烈しく攻むる日本の
戦の為に今ははや
風に瞬く燈火の
消ゆるを待たん外ぞせなし

次第に塁は乗り取られ
艦の数々沈められ
頼む砲台よる艦は
劉公島と鎮遠か
旗艦となせし定遠も
打ち沈められ北洋の
艦隊ここに亡びんを

待つの外なし丁都督
白旗立てて降らんか
是までなりや兵よ
清国運命現在
トい知るは我知れる
かくも勢いしじまれば
我は降りて兵よ
いましを助けん汝が命
是も時勢よ已むなしと
使いを我に遺して
降るを乞えり丁汝昌

我は降るを陽せしが
哀れや敵の大将は
生き恥かかんを悲しみて
命を絶たん覚悟して
黄泉の旅にかしま立つ
ああ敵ながら丁都督
嘉すべかりし行いよ
ああ敵ながら丁都督
嘉すべかりし行いよ

北洋艦隊亡びたり
威海の衛は破れたり
名残を留めし丁汝昌
敵の有様かくあれど
味方の中にも悲しみを
もたらし来る哀れさは
大寺少将の討ち死にぞ
あわれ名誉の討ち死にぞ
惜しや日本の快男児
2007/11/17 (Sat) 日清戦争 Trackback(0) Comment(0)
遥か彼方の海の上に
輝く光の浮き沈み
夜目には定かに見えねども
これぞ連合艦隊の
大連湾を船出して
栄城湾に舵を取り
向かえるものと知られたり

二十余艘の運送船
佐久間中将その外の
兵士共を載せて行く
隊列正しき有様は
実に壮んなり勇ましし

湾内狭しと進み入る
第四遊撃隊よりは
陸戦隊を組織して
上陸せんと構えたり

この時敵は野戦砲
四門備えて防戦を
試みつれば我が兵は
艇砲忽ち応戦し
艦隊よりも砲撃を
試みつれば敵兵は
支え難しと思いけん
散りて影なしつわものの

陸戦隊は一兵も
傷つく事もあらずして
上陸するを得たりけり
敵は逸早逃れてか
栄城湾内只一の
敵丸とても響かざり
暫しの間敵情と
窺いたれど抵抗の
さまは見えある哀れさよ

草木の音にも心置く
敵は逃れて跡もなし
栄城湾の大勝利
それ此の度の戦は
ただ朝鮮の為ならず
東洋前途の安寧を
図らせ給う叡慮なり

叡慮の程を畏みて
この目的を遂ぐる迄
平和の讐を夷げよ

軍旗の許は皇の
玉座の前に均しきず
健気に働き叡感に
与る事を心掛け

また上官の命令は
畏き勅語と服従し
水火の中も弾丸の
雨や霰も厭うなよ

この精神だに撓まずば
いかなる事か成らざらん
黄金の鵄も雲井より
赫々勲功を待つならん
平和の基礎を永遠に
建てて勲功を完くし
叡慮を安じ奉り
凱歌を揚げて旋るべし
国に事変のありつるは
人に疫病のある如し
彼の朝鮮の閔族は
秘かに清と意を通じ
清も好機と思いしに
日本はこれを看破なし
義心を以て責めしかば
国王殿下も御感あり

初めて暗夜に燈火を
得たる心地と宣いつ
善後の策と講ぜんと
大院君に先ず使者を
馳せて迎うる事となり
大院君も旨を得て
直に登城なさんにも
要路に遮る者あるは

これ必定と予知すらく
日本公使を頼りつつ
護衛の依頼ありしにぞ
大鳥公使は快く
これを承諾擁護しつ
列と整え静々と
京城差して進み行く
思うに違わず韓兵は
予て用意やしたりけん
閔族共の指揮を受け
突然こちらに発砲す
これぞ明治の二十七
一月二十三日なり
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