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陸・海軍礼式歌
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作詞 島田磐也
作曲 鈴木哲夫

あのねオッサンどうじゃね
陣中風船敵陣へ
ふわりふわりとやって来た
わしは軍使じゃお前はんの
へろへろ弾丸には当らへん
へらへらへったらへらへらへ

あのねオッサンあのねこのね
空の上から見ていると
あちらもこちらも逃げ支度
ほんまさかいにいつまでも
抗日戦とは野暮臭い
へらへらへったらへらへらへ

あのねオッサンどうじゃね
どうせ君達ゃあかんのや
あかんと言ったらあかんのや
蒋介石さえその気なら
仲良く一緒に手を握ろ
へらへらへったらへらへらへ

おのねオッサンわしゃかなわんよ
兜脱いだが早道や
お目々覚まして仲直り
花の楽土は平和から
お隣同士の仲じゃもの
へらへらへったらへらへらへ
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作詞 石松秋二
作曲 能代八郎

まだ満州を支那と呼ぶ
古い昔の事だよと
防寒外套を脱ぎながら
しみじみ語る同僚は
国境古参の警備兵

鴨緑江吹雪の闇を衝き
いつも寄せ来る匪賊輩
妻も始めは驚いて
帰る帰ると言ってたが
いつか馴染んで銃を執る

諦めきれぬ妻の事
不幸匪賊に斃れたが
国境警備の花じゃもの
去るに忍びず年老いて
今なお尽くすこの任務

確かあの日も大吹雪
こんな晩だと見張り所の
窓開けながら仰ぐ空
涙ぐんでる同僚に
つい誘われて貰い泣き
作詞 佐藤惣之助
作曲 服部逸郎

宵のキャバレーの踊りの中で
どこか寂しいの娘
青い菫かアカシアの花か
濡れて散るよなその瞳

酒は輝くペチカは燃える
遠い故郷の夢心
銀のサモワール楽しく囲み
弾いて歌うよバラライカ

若い心を毛皮に包み
馬車雇うて帰り道
ハラショーハラショーとどこまで飛ばす
キタイスカヤの夜の雪

送りましょうか送られましょか
明日は別れの北の空
せめて今宵は粉雪の窓で
聴こうよヴォルガの舟歌を
作詞 西條八十
作曲 福田恒治

月影冴える前線で
慰問袋を開けてみりゃ
ころりと落ちた石一つ
幼い心が鉛筆で
添えた手紙が身に沁みる

僕等の為、勇ましく戦って下さる兵隊さん。
貴方に慰問袋を送りたいと思いましたが、
僕の家にはお父さんが無く、
お母さんと二人きり、貧乏で、
慰問袋へ入れる物もぽっちりしかありません。
ここに石を入れておきます。
これは二重橋前の広場の石で、
今日頂いて参りました。
この石には、今日まで、
何千万という日本の国民が歌った君が代や
天皇陛下万歳の叫び声が染み込んでいます。
この石をお体に付けて、
御国の為にしっかりと戦って下さい。
そして首尾良く凱旋の時には、
この石をもとの広場へお返し下さい。

吉田一男 忠義な兵隊さんへ

短い文にありありと
浮かぶ都の二重橋
あの玉砂利に手を付いた
祖国を発つ日の感激が
胸に火のよに蘇える

溢れる涙感激に
濡れて頂く石一つ
この身は散って紅の
血潮でこの石染めるとも
手柄立てずに帰らりょか
作詞 大木惇夫
作曲 江口夜詩

雲は流れる緑は煙る
遠い希望の陽は招く
何が哀しと咽ぶか心
明日は旅出と言うものを

夢も躍るよ青空見れば
燃えて高鳴る我が心
鳴けよ雲雀よ別れの歌を
明日は異国の空に聞く

さらば故郷愛しの山よ
いつか錦を飾ろうよ
泣くな嘆くな思いを堪えて
越えて行こうよその日まで
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