武人の妻（どうせ一度は）

作詞　高瀬千鶴子
作曲　服部良一

どうせ一度は死ぬ身ゆえ
待ちし召集受けたるは
我が身の幸と喜びて
心置きなく潔く
元気で征って下さいね

国に捧げた身じゃものを
今更私が泣きはせぬ
笑って貴方を送ります
私を忘れて朗らかに
戦地へ征って下さいね

後は心配しなくとも
二人の子供はこの私
立派に育てて参ります
心残さず国の為
手柄を立てて下さいね

どうせ散るなら美しく
花と散るよに祈ります
何で私は泣きましょう
嬉しく貴方を迎えます
命惜しまで下さいね

夢の蘇州

作詞　島田磐也
作曲　三界稔

鐘を鳴らすにゃ撞木はいらぬ
風が優しくまた叩く
夢の蘇州の
夢の蘇州の寒山寺

遠い戦地で祖国の空へ
架ける勇士の夢の橋
届く便りが
届く便りが待ちかねる

吹けよ吹け吹け平和の風だよ
楊柳隠れに船が行く
鐘も鳴る鳴る
鐘も鳴る鳴る寒山寺

男の魂

作詞　佐藤惣之助
作曲　佐渡暁夫

恋は捨てても親恋しさに
帰る故郷の夜の家
強い男も子供のように
逢えば泣けますお母さん

来るか来るかと待たれていたが
来たぞ嬉しい召集令
生まれ変わって御国の為に
俺も働く時が来た

親へ孝行忠義に代えて
またも別れる明日の空
燃える命と男の心
やがて見せましょお母さん

ほまれの出征

作詞　宮本旅人
作曲　飯田三郎

妻よさよなら行って来る
行ったら必ず勝って来る
どうだ見てくれ筋金入りの
腕が鳴る鳴る血が躍る

国に捧げたこの体
もしもの事があったなら
可愛い坊やの行く末頼む
老いた親御もなあお前

後でその子が俺の事
訊ねたならば父ちゃんは
坊やの好きなあの鉄兜
探しに行ったと言ってくれ

晴れの門出のはなむけに
見せろよお前の笑い顔
それじゃさらば達者で暮らせ
俺も笑顔で旗を振る

銃剣日記

作詞　塚本篤夫
作曲　坂東政一

赤い夕陽の満州砂漠
驢馬に揺られて東に西に
男命を御国に捧げ
昼も夜も無い武者震い

腕にゃ筋金胸には度胸
執るは護国の日本刀よ
火花散りしく白兵戦に
斬った匪賊は数知れず

咲いた花ならいつかは散ろう
まして軍人覚悟は堅い
命知らずと言われて嬉し
今日も決死の白襷

荒れる高梁万里の国境
夢も忘れて銃剣暮らし
伸びた頬髭伊達では無いぞ
東亜細亜の空睨む