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陸・海軍礼式歌
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作詞 中川紀元
作曲 服部良一

ああ戦跡に草萌えて
氷も解けるクリークに
解けぬ無量のこの恨み
明日凱旋の胸の中

思えば共に励まして
幾転戦の昼も夜も
我後れじと戦った
ああその友は今や無し

あの日あの時猛然と
火を吹くトーチカ踏み躙り
阿修羅と荒れた戦友の
最期の叫び血の叫び

倅の戦死は本懐と
お手紙ありし父君の
戦の庭に子を送る
日本の親の御覚悟

江南の空黄昏て
愁いは更に新しく
思いぞついに果てし無し
訣別の手向けいざさらば

勇士の魂この丘に
守る墓標の仄白く
瞳に沁みて夕闇の
漂う中に一人立つ
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作詞 上条操
作曲 瀬戸口藤吉

皇御国の日の本に
女と生まれ生い立ちし
乙女は妻はまた母は
皆一筋にますらおの
銃後を守り花と咲く

一人の吾子を大君に
捧げ奉れど仮初の
命は何か永久に
輝く名こそ誇りぞと
老いたる母は泣かざりき

ああ一億の同胞が
義憤の戦選ばれて
背の君起ちぬ我もまた
御国の妻の行く道は
強き雄々しき明日の空

千社詣でのうら若き
乙女の胸の赤き血は
燃えて火となる朝ぼらけ
雲のこだまの拍手に
いでや奏でん愛国譜

銃執り向かうますらおの
その艱難もさりながら
千針に込めし紅は
女が胸の祖国愛
ああ君国に誉れあれ
作詞 時雨音羽
作曲 鈴木武男

越えぬ覚悟の玄界灘を
無念や越えて故郷へ
白衣に包む熱血は
あの日も今も変わらぬに
変わるこの身の悔しさよ

いつもながらに故郷は
母の懐母の膝
手柄を立てぬに桜まで
匂いを添える温かさ
ああこの胸は泣いている

瞼に浮かぶ戦場に
戦友は今頃銃執りて
歩哨に立っているだろう
今はベッドに臥せるとも
せめて行きたいもう一度
作詞 西岡水朗
作曲 飯田三郎

花の都へ帰って来たぞ
これと言うよな土産は無いが
妻よ見てくれ日焼けの顔を
男誉れの刀傷

タンク分捕り一番乗りの
手柄話は後からするが
晴れの肩章嬉しじゃないか
またも増えたぞ星一つ

生きちゃ帰らぬ覚悟でいたが
誉めて貰ったそのまた上に
坊や抱けるも陛下の御恩
妻も拝もよ共々に
作詞 野村俊夫
作曲 飯田三郎

口には出さねど二親も
軍服姿が見たいだろ
俺も日本の男ゆえ
花と散りたや御国の為に

死のうが生きよが男ゆえ
いつも笑顔の桜花
君の為なら二親も
よくぞやったと誉めるだろ

軍事教練受けながら
出征出来ぬじゃ口惜しい
せめて戦場の土踏んで
銃を執りたや御国の為に
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