起てよ若人（日出ずる御国の）

作詞　末弘巌太郎
作曲　中山晋平


日出ずる御国の若人よ
聴け！鐘は鳴るオリンピア
鐘高鳴りて君等を招く
起てよ若人征きて闘え
御国の為にぞ協わせよ力

輝く御旗の征く所
畏き力我にあり
いざや闘え斃るるまでも
起てよ若人強く闘え
御国の為にぞ協わせよ力

雄々しく闘え戦いは
勝ちをぞ旨とすさりながら
負けにも勝れる恥あるものぞ
起てよ若人強く闘え
御国の為にぞ協わせよ力

夕空晴れたり篝火は
見よや消えゆくオリンピア
君等の務めは終わりぬ今ぞ
いざや諸人共に歌わん
声高らかにぞ御国の栄えを

海洋警備の歌

作詞　高橋掬太郎
作曲　江口夜詩

意気で行こうよ赤道直下
海の日本の生命線
椰子の葉陰の曙に
仰げおいらの軍艦旗

明日は北洋仇波寄せて
募る吹雪も何のその
どうせおいらも国の為
末は誉れの花吹雪

命捧げて南に北に
死ぬも生きるも日の本の
おいらの浮き城伊達じゃない
叩きゃ鋼鉄の音がする

国境節（どこで果てよと）

作詞　高橋掬太郎
作曲　江口夜詩

どこで果てよと御国の為よ
儘になるなら男なら
わしも行きたや国境警備

弱い女も行かれぬものか
大和撫子意気に泣く
厭いやせぬぞえ興安颪

送る弾丸除け未練じゃ縫わぬ
遠い国境のあの人の
無事を祈るも御国の為よ

カチューシャの想い出

作詞　西條八十
作曲　竹岡信幸

風が吹く吹く荒野は千里
雪のシベリア日が暮れる
行くに当て無い白樺林
カチューシャ可愛いやララ一人旅

泣いて別れる今宵の道も
明日は跡無い雪の下
せめて面影涙で抱いて
カチューシャ可愛いやララ一人旅

山で夜明けて林で暮れて
夜の幌馬車笛も泣く
燃える涙を荒野に晒し
カチューシャ可愛いやララ一人旅

興安颪

作詞　佐藤惣之助
作曲　江口夜詩

赤い夕陽に胡弓を抱いて
北に広野を彷徨えば
風も遥かな空で泣く

雲は流れる我が身は暮れる
行方果て無き大空に
同じ思いの一つ星

風は吹く吹く興安颪
冬が来たのか野は枯れて
旅はどこまで続くやら

馬車が止まれば寂しい街で
飲んで踊って夜が明けて
落つる涙も砂の上

枯れたアカシアに雪降る頃は
いつも故郷を思い出す
雪は寂しや母恋し