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陸・海軍礼式歌
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作詞 大和田建樹
作曲 山田源一郎

忠勇無双の我が兵は
大同江を押し渡り
さしもに多き敵軍を
平壌城に囲みたり
時こそ来つれいざ進め
勝つべき戦は今日なるぞ

たちまち起こる進軍の
喇叭の声に勇み立つ
兵は三面一撃の
下に乗っ取る牡丹台
士気はますます奮いつつ
山をも抜かんばかりなり

朔寧支隊はこの時に
獅子奮迅のごとくにて
いで破らんと打ち向かう
門は名立たる堅固の地
死力尽くして守りたり

見る間に敵塁躍り越え
群がる敵を凪ぎ伏せて
たちまち開く玄武門
はや手に入れたり破れたり
天も崩るる万歳の
声は四方に起こりたり

我が日の丸の旗影は
大同江を照らしたり
我が日の丸の旗影は
平壌城を覆いたり
朔寧支隊軍功の
誉れを歌え国の民
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明治天皇 御製
作曲 荻野理喜治

大同江の激流も
大成山の峻坂も
難無く越えて進み行く
我が軍隊ぞ勇ましき
要塞堅固の敵城を
四方一時に攻め囲み
烈しく撃ち出す銃砲の
音は山河に鳴り響く
その攻撃の鋭きに
彼我の死傷も数多し
地の利占めたる敵兵も
忠勇義烈の我が兵の
勢い強きに当たりかね
砦の上に白旗を
立てしを望み我が兵は
暫し進撃見合わせて
彼の挙動を伺えば
血路を開き逃がれんと
俄に駆け出す白馬隊
残り少なく撃ち倒し
瞬く暇に義州門
打ち破りつつ平壌の
城を乗っ取り勇みけり
城を乗っ取り勇みけり
作詞 中村秋香
作曲 奥好義

大砲小銃鬨の声
天や崩るる地は砕くる
あな目覚ましや面白や
大波返して突き入る皇軍
雪崩を打って乱るる清兵

万歳唱うる勝鬨は
山を動かし谷を揺する
あな心地良や勇ましや
平壌城頭硝煙の隙に
仄々見ゆる朝日の御旗
作詞 阪正臣
作曲 鈴木米次郎

知らずや日に日に文は進み
武もまた輝く日本海
隔つる隣の国を救う
仁義の軍の勇ましさを

韓廷力を我に仰ぐ
いざまず牙山の敵を追えと
七月二十七まだ夜深く
三軍粛々枚を含む

彼等が為には安城渡も
見方の渡れば憂き瀬となり
伏勢起こりて飛び来る弾丸
松崎大尉はああ惜しむべし

勇士の最期に士気は奮い
奮撃血戦明け行く空
再び聞こゆる砲の響き
煙に天地もかき曇りぬ

雄叫ぶ声には山も崩れ
榴弾放てば敵は微塵
元より命を君と国に
捧げしつわもの進み進む

一塁破れつ二塁もまた
落ち散る木の葉の秋の林
暴風凪ぎたるごとくになり
跡には血の河屍の山

弱きを助けて暴きを討ち
幼き韓国導き行く
仁義出でたる我が戦の
勝ちしは真に天の心

凱旋門下に迎うる人
大島少将の手を取り取り
祝うや日本の万々歳
天皇陛下の万々歳
作詞 山陰樵夫

日ははや西に入り相いの
鐘は微かに聞こえつつ
ホーヘンリンデン村近き
イーザー河の音高く

流るる水は物凄く
全て新手のつわものは
新たに積もる雪の床
余念も無くぞ伏しいけり

ただ聞くものは村遠く
犬の長吠えする声ぞ
夜はいと長けて見ゆる頃
不意に打ち出す太鼓の音

すわ事ありと大将は
墨なす空の冬の夜の
暗きを照らす灯りをば
点けよ点けよと命じけり

喇叭の声や松明の
灯りに依りて速やかに
整頓したる騎馬武者は
玉散る剣抜き連れつ

手荒き馬は恐ろしく
身の毛もよだつもてなしに
与らんとや勇み立ち
いとも雄々しく嘶けり

名誉に満てる軍馬をば
敵の陣屋へ乗り入るる
音はさながら雷の
ひらめくごとく山岡も

震い崩れつ鳥羽玉の
暗夜にきらめく大砲は
千々の稲妻ぴかぴかと
眩きまでに光りけり

秋の紅葉のそれならで
唐紅に斑なす
ホーヘンリンデン丘の上に
照る稲妻はいや明く

滝つ瀬をなすイーザーの
流るる音はいや高く
殺伐悲愴の有様は
いと凄まじく見えにけり

漸く明ける朝ぼらけ
森を離るる雀色
鯨波を作りて突き進む
猛烈敢死の両軍を

真一文字に天切ろう
八重棚雲を押し分ける
差し輝ける旭つわものは
栄誉をこそは表しけり

燦たる軍旗靡かせつ
討てよ進めの号令に
勇み乗り入る軽騎隊
屍を塚に埋めんか

古今無双の軍功を
立てて名誉を博せんか
両軍既に入り混じり
たけなわとこそ見られけり

名も世に高き仏軍が
不意を打たれし口惜しき
男子と生まれし甲斐も無き
いざ諸共の身を賭して

流るる血潮にこの恥を
清く注いでくれんずと
怒り激せるつわものは
勝利の程ぞ知られけり

さしもに強き墺軍も
死を定めたる手負い獅子
いかで望みを達すべき
却って敵に逆撃たれ

降り積む雪はつわものの
屍を纏う衣ぞや
踏みとどろなす芝泥は
永く眠らん墓場なり
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