空の船長

作詞　西條八十
作曲　古関祐而

緑小鳥の故郷を
遥かに越ゆる雲の波
若き瞳の飛行服
空の船長憧れの
君が門出を言祝がん

燃ゆる弾丸雄叫びて
大陸深く抛てば
潜む残敵蒼白めぬ
空の船長勇ましの
君が誉れを言祝がん

椰子の葉陰の島々の
土人も仰ぐ日章旗
望む南極十字星
空の船長麗しの
君が旅路を言祝がん

死なば屍を雲の墓
男子の気魄大空に
咲くや航空新日本
空の船長輝ける
君が行く手を言祝がん

国境千里

作詞　松坂直美
作曲　太田畔三郎

霧が流れる国境千里
鈴の音聞きゃしみじみと
思い出される故郷の山河
浮かぶ懐かし父や母

河の向こうは他国の岸よ
闇の彼方で灯が揺れる
命捧げて警備に立てば
風も凍るか北の空

故国を離れて遥々千里
夢も地平の果てに散る
暗い灯影で便りを書けば
驢馬の嘶き身に染みる

日本勤労の歌

作詞　稲野静哉
作曲　長谷川良夫

御稜威遍き大御代に
清く正しく生い立ちし
御民我等が感激の
この一鍬に一鎚に
これも興亜の大使命

朝日輝く大空に
高く掲げる旗の下
今日も明るく朗らかに
いざ肇国の精神を
生かせ我等が勤労に

励む勤めは異なれど
同じ心の一筋に
老いも若きも一億の
胸は轟き腕は鳴る
見よやこの意気この力

国の彌栄祈りつつ
広古の聖業成し遂げん
希望光栄ある勤労の
高き理想に血は燃えて
立てよ世界の大平和

みんな兵士だ弾丸だ

作曲　飯田信夫

民は一億心は一つ
仰ぐ日の丸風に鳴る
鉄の覚悟で怒涛の意気で
進む興亜の決死隊
皆兵士だ弾丸だ

町も工場も田畑も浜も
祈る戦地と何変わろう
赤い襷を心に掛けて
何だ非常時長期戦
皆兵士だ弾丸だ

飲まず食わずに山河越えて
弾雨潜ったつわものも
帰りゃ銃後の職場に立って
誉れ汚さぬ命懸け
皆兵士だ弾丸だ

国を護った将兵守り
感謝捧げる兵の家
共に手を取り足並み揃え
行くぞ国民大進軍
皆兵士だ弾丸だ

戦場ハーモニカ

作詞　佐伯孝夫
作曲　近松貞

慰問袋のハーモニカ
吹けば故郷の音が冴えて
歓呼の声や旗の波
晴れの門出を思い出す

逃げる敵軍追いまくり
泥の水やら生芋で
山坂越えたますらおの
胸の隠しのハーモニカ

赤い夕陽に戦友を
一人偲んで手向け草
待っててくれよ九段坂
桜咲く日にまた逢おう

黒馬も愛しや鼻寄せて
聴いているやらハーモニカ
お前の歌も吹くからに
明日も元気でやってくれ