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陸・海軍礼式歌
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作詞 堀内敬三
作曲 陸軍軍楽隊

三軍迫る敵の首都
城壁今や指呼に入りて
御旗は高し紫金山
守備は空し中山陵

攻撃暫し止めつつ
諭すはゆかし武士の情け
仁愛籠もる勧降状
彼は受けても答えもせず

いざこれ迄と全機に
命令一下準備は良し
巨弾轟と鳴り猛り
飛翼群れて空覆う

城壁囲む鉄の輪ぞ
総軍挙る包囲の陣
爆撃射撃轟々と
城内ただ炎の海

窮鼠の敵は頑強に
城門固め乱射すれど
見よ光華門一角の
塁を崩し衝き入る兵

脇坂部隊先頭に
城壁高く御旗掲げ
続きて諸隊劣らじと
各門より雪崩入りつ

空空軍の協力に
河岸の退路遮断しつつ
掃討行けば城内の
残兵皆滅び失せぬ

聖戦四月功遂げて
ああ十二月十三日
首都南京に日の御旗
今ぞ仰ぐ御稜威の影
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作詞 堀内敬三
作曲 陸軍軍楽隊

滬北の広野密雲暗く
木魂に荒ぶ銃の音
壕に籠もりて待つ将士に
命令下る日暮れ時
「我が連隊の名誉に懸けて
ウースンクリーク打ち渡れ」

濁水深く漲る岸ぞ
死守する敵が防御線
銃座無数壕は蜘蛛手
幾重と置きしトーチカに
不落の陣を誇らば誇れ
加納部隊は爆破せん

偽装の渡河に血迷う敵を
牽制しつつ夜を籠めて
準備成れば今ぞ時は
十月六日朝まだき
煙幕張りつつ工兵隊が
弾雨を冒す鉄の船

姿も著き白鉢巻は
肉弾渡河の決死隊
乱射衝きて先駆けすれば
続きて左右二箇所より
対岸指して加納部隊は
潮の如く渡り行く

降りいく雨と十字の砲火
凌ぎて岸に押し登る
左翼部隊被弾しげく
壮烈斃る卯野少佐
怯まず衝きて我が両翼は
敵地に獲たり両據点

雨降り飛沫く泥土の壕を
集弾浴びて保持すれど
銃は泥に用をなさず
意気と剣に頼りつつ
眠らず食わず逆襲挫き
敢然支う満二日

増援部隊到れる毎に
士気いや奮うつわものが
漸次砕く堅固の陣
曹宅近く攻め寄せれば
豪雨を衝きて八日の朝開
渡河せり加納部隊長

御旗の前に別盃酌みて
敵が固守する小宅へ
主力率い刀を翳し
突き入る加納部隊長
身に傷負えど川崎少佐
兵の背により奮戦す

猛雨と弾丸泥沼冒し
乱戦死戦怯み無く
壕を奪い塁を抜けば
小宅遂に我に帰す
好機は今と敵前近く
本部を進む部隊長

天幕は雨を凌ぎもあえず
膝をも没す泥の中
笑顔絶たず部下の労を
労う加納部隊長
漸く着きし僅かの炭も
兵に分かちて欣びぬ

残れる孤塁曹宅目掛け
十一日の暁に
突如起こす我が強襲
吉川少佐先鋒に
敵陣深く斬死なせど
血戦いかで怯むべき

敵が猛射は刻々繁く
迫撃砲の弾丸五発
裂けて砕く我が本部に
壮烈加納部隊長
輝く勝利導きつつも
護国の花と散り果てぬ

献身敵の強剛破り
戦局有利に開くまで
艱苦忍び智勇尽くし
忠誠立てし勲しぞ
永遠朽ちず青史を照らせ
壮烈加納部隊長
作詞 飛鳥井芳朗
作曲 佐渡暁夫

乾せよ乾そうよ波々と
酒は金色月の色
鳴るぞ唸るぞ祖国の腕が
明日という日が待たれてならぬ
さあさ乾杯!いざ乾杯!

出せよ出そうよこの酒で
日本男児の男意気
夜空冴えたぞ月下の塹壕
明日は一番日の丸立てて
さあさ乾杯!いざ乾杯!

挙げよ挙げるよ高々と
旗は日の丸国の花
共に正義の心は燃えて
明日の戦が待たれてならぬ
さあさ乾杯!いざ乾杯!
作詞 上田良作
作曲 古関祐而

焼け付く大地水涸れて
麦穂は霞む地平線
砂塵濛々目に痛む
拭えば頬髯砂交じり

行く手に白く横たわる
あれこそ昨日夢に見た
栄枯を語る大黄河
水面に映る故郷の母

黄河を越えてひた押しに
隴海線を制したり
魯南の敵を潰したり
目指すはいずこ鄭州か

空の翼よ心せよ
奥地に敵が逃げ出すぞ
俺等の苦労が無駄になる
手強い奴を残しとけ

今宵は十六夜灯もいらぬ
夕餉にゃ梅干ただ一つ
話はいつか握り寿司
思わず掴む手榴弾

溜まりの水を水筒に
ビールのつもりで一息に
飲んであの夜の思い出を
小唄の節で歌い出す

明日は洛陽漢口か
ドラムの缶がガンと鳴りゃ
爆破なったぞ万歳と
寝言に微笑む髭の面
作詞 上田良作
作曲 古関祐而

残敵払う銃声も
途切れ途切れの夕ま暮れ
隠しの底に手を入れりゃ
嬉し誉がただ一本
一口ずつだが分け合うて
喫めば元気が蘇る

落日遠く風そよぐ
血潮の後の仄灯り
砦に高く翻る
勝利の旗を仰ぎつつ
今日の激戦偲ぶ時
さすが勇士も目に涙

捧ぐと決めた命だが
戦半ばに斃れては
戦友よお前も無念だろう
手向けの花にゃ敵兵の
チェッコの銃を四つ五つ
きっと明日は供えるぞ

戦友は優しい奴だった
たった一人の妹へ
露営の暇に痛む手で
故郷を出た日の日の丸を
必ず徐州に立てるぞと
書いた一句が胸を打つ

形見となった日章旗
あす払暁の攻撃に
先頭切って進み行き
城門高く打ち立てて
天皇陛下万歳を
彼に代わって唱えるぞ
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