作詞 堀内敬三
作曲 陸軍軍楽隊
滬北の広野密雲暗く
木魂に荒ぶ銃の音
壕に籠もりて待つ将士に
命令下る日暮れ時
「我が連隊の名誉に懸けて
ウースンクリーク打ち渡れ」
濁水深く漲る岸ぞ
死守する敵が防御線
銃座無数壕は蜘蛛手
幾重と置きしトーチカに
不落の陣を誇らば誇れ
加納部隊は爆破せん
偽装の渡河に血迷う敵を
牽制しつつ夜を籠めて
準備成れば今ぞ時は
十月六日朝まだき
煙幕張りつつ工兵隊が
弾雨を冒す鉄の船
姿も著き白鉢巻は
肉弾渡河の決死隊
乱射衝きて先駆けすれば
続きて左右二箇所より
対岸指して加納部隊は
潮の如く渡り行く
降りいく雨と十字の砲火
凌ぎて岸に押し登る
左翼部隊被弾しげく
壮烈斃る卯野少佐
怯まず衝きて我が両翼は
敵地に獲たり両據点
雨降り飛沫く泥土の壕を
集弾浴びて保持すれど
銃は泥に用をなさず
意気と剣に頼りつつ
眠らず食わず逆襲挫き
敢然支う満二日
増援部隊到れる毎に
士気いや奮うつわものが
漸次砕く堅固の陣
曹宅近く攻め寄せれば
豪雨を衝きて八日の朝開
渡河せり加納部隊長
御旗の前に別盃酌みて
敵が固守する小宅へ
主力率い刀を翳し
突き入る加納部隊長
身に傷負えど川崎少佐
兵の背により奮戦す
猛雨と弾丸泥沼冒し
乱戦死戦怯み無く
壕を奪い塁を抜けば
小宅遂に我に帰す
好機は今と敵前近く
本部を進む部隊長
天幕は雨を凌ぎもあえず
膝をも没す泥の中
笑顔絶たず部下の労を
労う加納部隊長
漸く着きし僅かの炭も
兵に分かちて欣びぬ
残れる孤塁曹宅目掛け
十一日の暁に
突如起こす我が強襲
吉川少佐先鋒に
敵陣深く斬死なせど
血戦いかで怯むべき
敵が猛射は刻々繁く
迫撃砲の弾丸五発
裂けて砕く我が本部に
壮烈加納部隊長
輝く勝利導きつつも
護国の花と散り果てぬ
献身敵の強剛破り
戦局有利に開くまで
艱苦忍び智勇尽くし
忠誠立てし勲しぞ
永遠朽ちず青史を照らせ
壮烈加納部隊長
作曲 陸軍軍楽隊
滬北の広野密雲暗く
木魂に荒ぶ銃の音
壕に籠もりて待つ将士に
命令下る日暮れ時
「我が連隊の名誉に懸けて
ウースンクリーク打ち渡れ」
濁水深く漲る岸ぞ
死守する敵が防御線
銃座無数壕は蜘蛛手
幾重と置きしトーチカに
不落の陣を誇らば誇れ
加納部隊は爆破せん
偽装の渡河に血迷う敵を
牽制しつつ夜を籠めて
準備成れば今ぞ時は
十月六日朝まだき
煙幕張りつつ工兵隊が
弾雨を冒す鉄の船
姿も著き白鉢巻は
肉弾渡河の決死隊
乱射衝きて先駆けすれば
続きて左右二箇所より
対岸指して加納部隊は
潮の如く渡り行く
降りいく雨と十字の砲火
凌ぎて岸に押し登る
左翼部隊被弾しげく
壮烈斃る卯野少佐
怯まず衝きて我が両翼は
敵地に獲たり両據点
雨降り飛沫く泥土の壕を
集弾浴びて保持すれど
銃は泥に用をなさず
意気と剣に頼りつつ
眠らず食わず逆襲挫き
敢然支う満二日
増援部隊到れる毎に
士気いや奮うつわものが
漸次砕く堅固の陣
曹宅近く攻め寄せれば
豪雨を衝きて八日の朝開
渡河せり加納部隊長
御旗の前に別盃酌みて
敵が固守する小宅へ
主力率い刀を翳し
突き入る加納部隊長
身に傷負えど川崎少佐
兵の背により奮戦す
猛雨と弾丸泥沼冒し
乱戦死戦怯み無く
壕を奪い塁を抜けば
小宅遂に我に帰す
好機は今と敵前近く
本部を進む部隊長
天幕は雨を凌ぎもあえず
膝をも没す泥の中
笑顔絶たず部下の労を
労う加納部隊長
漸く着きし僅かの炭も
兵に分かちて欣びぬ
残れる孤塁曹宅目掛け
十一日の暁に
突如起こす我が強襲
吉川少佐先鋒に
敵陣深く斬死なせど
血戦いかで怯むべき
敵が猛射は刻々繁く
迫撃砲の弾丸五発
裂けて砕く我が本部に
壮烈加納部隊長
輝く勝利導きつつも
護国の花と散り果てぬ
献身敵の強剛破り
戦局有利に開くまで
艱苦忍び智勇尽くし
忠誠立てし勲しぞ
永遠朽ちず青史を照らせ
壮烈加納部隊長
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