肇国の歌

文部省唱歌

豊葦原の中つ国
行きて知らせよ栄えよと
宣らせ給えり大神
げに天壌と窮みなし
天津日嗣ぞ神ながら

くしふる峯や高千穂の
雲押し分けて皇孫は
天降りましけんその日向
げに海山と限り無き
恵み遍く代々坐しき

橿原に宮居して
一つの宇とおおらかに
御稜威い照す八紘
その肇国の古を
今に仰ぎて大東亜

白衣の勤め

文部省唱歌

白衣の勤め乙女にあれど
軍の庭に雄々しく出でて
勇士守らん御国の為に

御楯と立ちて戦う軍
痛まし君が深手を看取り
巻くは白妙真心込めて

敵にあれど重手と見れば
労わる心に二つはあらず
見よや日本の十字の赤さ

病院船は勇士を送り
故国の山河近付く日々も
看取る誠のただ一筋に

特別攻撃隊（一挙に砕け）

文部省唱歌

一挙に砕け敵主力
待ちしはこの日この時と
怒濤の底を矢のごとく
死地に乗り入る艇五隻

朝風切りて友軍機
襲うと見るや諸共に
巨艦の列へ射て放つ
魚雷に高し波頭

爆音天をどよもせば
潮も湧けり真珠湾
火柱上げて次々に
敵の大艦沈み行く

昼間は潜み月の出に
再び屠る敵巨艦
襲撃まさに成功と
心静かに打つ無電

ああ大東亜聖戦に
水漬く屍と誓いつつ
先駆け散りし若桜
仰げ特別攻撃隊

大東亜

文部省唱歌

椰子の葉に鳴る海の風
峯にきらめく山の雪
南十字と北斗星
連ねて広き大東亜

ここに生まれし十億の
人の心は皆一つ
盟主日本の旗の下
誓いて守る鉄の陣

空は晴れたり暁の
光溢るる四方の海
皆同胞と睦み合い
挙りて築け大東亜

戦友（草生す屍）

文部省唱歌

草生す屍大君の
醜の御楯と出で発ちて
鉄火の嵐弾の雨
潜りて進む君と我

死なば同じ日同じ時
後れ先立つ事あらば
骨ひっ下げて突撃と
誓い交わしし君と我

御稜威遍き大東亜
朝日の御旗行くところ
仇なす敵のある限り
撃ちてし止まん君と我