戦友の唄

作詞　久保田宵二
作曲　古関裕而

ここは北満広漠千里
雨に晒され吹雪を衡いて
守る国境空高く揚げよ日の丸

意気は祖国の誉れに燃えて
抜けば玉散る氷の刃
敵も匪賊も何のその倒せ蹴ちらせ

月の塹壕眠れぬ夜は
慰問袋の煙草を分けて
友と語るは 故郷の山よ妻子よ

さらば戦友御国の為に
命捧げたますらおゆえに
散るも匂うも諸共に大和桜よ

守れ北満

作詞　久保田宵二
作曲　江口夜詩

群がる匪賊荒ぶ風
氷も雪も何のその
断じて護れ北満の
警備は重く身は軽し

朝日に匂う大八洲
九千万余同胞の
銃後の誠思う時
血潮は燃えて意気高し

輝き冴える星影に
母御の便り繰り返し
誉れを胸に誓う夜は
露営の夢も故郷へ飛ぶ

暁明けて戦友と
互いに今日を励ませば
果て無く続く北満の
御空に高く日の御旗

防空音頭

作詞　伊藤和夫
作曲　大村能章

鳴るはサイレン警報だ燈管
ヤットヤットナ
覚悟定めた
覚悟定めた心意気
ソレ撃って落として万歳！万歳！
どどんがどんと射てどんと落とせ

すわや空襲慌てちゃならぬ
ヤットヤットナ
防火防毒
防火防毒防護ぶり
ソレ撃って落として万歳！万歳！
どどんがどんと射てどんと落とせ

空の護りも軍民一致
ヤットヤットナ
誠捧げて
誠捧げて国の為
ソレ撃って落として万歳！万歳！
どどんがどんと射てどんと落とせ

敵の飛行機来たらば来たれ
ヤットヤットナ
我等無敵よ
我等無敵よ日の御旗
ソレ撃って落として万歳！万歳！
どどんがどんと射てどんと落とせ

黒い翼よ敵機は躍る
ヤットヤットナ
木葉微塵に
木葉微塵に高射砲
ソレ撃って落として万歳！万歳！
どどんがどんと射てどんと落とせ

一家挙って防空演習
ヤットヤットナ
腕にゃ覚えの
腕にゃ覚えの血が燃える
ソレ撃って落として万歳！万歳！
どどんがどんと射てどんと落とせ

あげよ日の丸

作詞　山本塊二
作曲　山田耕筰

あげよ飛沫の音高く
あげよ誉れの技高く
君等が若き日の限り
陽は輝けり溌剌と
歓呼を浴びて往け選士
制覇を賭くる水の上

あげよ凱歌の声高く
あげよ日の丸栄光高く
君等が意気の衝くところ
陽は輝けり烈々と
力に奮い起て選士
制覇を描く陸の上

あげよ日の丸風高く
あげよ君が代歌高く
君等が負える大使命
陽は輝けり燦々と
勢えよ今ぞ捷て選士
制覇を告ぐる穹の上

月の国境

作詞　佐藤惚之助
作曲　古関裕而

月の国境小夜更けて
腰の軍刀冴ゆる時
秋水三尺露払う
知るや男子のこの心

石の砦によじ登り
見れば遥かな地平線
茫漠千里滔々と
行く手知られぬ黒竜江

水は流れる月は照る
俺もなりたやあの月に
日本の空を宵に出て
更けりゃ広野の屋根の上

見よや国境皓々と
銀に輝く明月の
ただ一点の曇り無き
知るや男児のこの心