支那の夜

作詞　西条 八十
作曲　竹岡 信幸

支那の夜支那の夜よ
港の灯り紫の夜に
上るジャンクの夢の船
ああ忘れられぬ胡弓の音
支那の夜夢の夜

支那の夜支那の夜よ
柳の窓にランタン揺れて
赤い鳥籠支那娘
ああやるせない愛の歌
支那の夜夢の夜

支那の夜支那の夜よ
君待つ夜は欄干の雨に
花も散る散る紅も散る
ああ別れても忘れらりょか
支那の夜夢の夜

戦場初舞台

作詞　佐藤惣之助
作曲　服部逸郎

花の歌舞伎の子と生まれ
眉を染めたも昨日まで
今日は戦地で銃を執る
若い心の凛々しさよ
凛々しさよ

弾丸の響きを合いの手に
進む決死の突撃は
慣れた芝居じゃないけども
今ぞ誉れの初舞台
初舞台

遠いあの世のお父様
誉めて下さいこの業を
天皇陛下万歳と
叫ぶ私の幕切れを
幕切れを

南京の花売り娘

作詞　佐藤惣之助　　
作曲　上原げんと

緑の光よ黄昏よ　　
呼べば来る花籠下げて
純な瞳よ南京娘　　
花はいかが嬉しい花
楽しい花揺れて仄かに　　
涙ぐむよな花の命よ

流れの面舫よ夕月よ　　
水に散る宴の夢に
濡れるまつ毛よ南京娘
花はいかが優しい花
悲しい花白いジャスミン　　
すすり泣くよな花の心よ

乙女の匂いよ茉莉花よ　　
空に照る黄金の星に
何を囁く南京娘　　
花はいかが愛しい花
貴方の花雨も降らぬに　　
ほろり散るよな花の姿よ

上海の踊り子（霧の夜を）

作詞　時雨音羽
作曲　細川潤一

霧の夜を月の夜を
踊るランタン踊る上海
夢を見るよな踊り子の
黒い瞳が濡れている
濡れている

街の灯も窓の灯も
皆呼んでる歌の上海
リラの花さえ開く夜を
何を泣くやら夜の雨
夜の雨

あの歌もこの歌も
遠い思い出夢の上海
君の形見の日の丸の
紅の赤さは燃えているのに
燃えているのに

僕の考え聞いとくれ

作詞　清水操六
作曲　細川潤一

僕の考え聞いとくれ
日曜毎にシャベル持ち
庭に飛び出し穴を掘る
体は良くなる気は晴れる
やがては出来ます防空壕

私のプランも話しましょう
お米でさえも七分搗き
使うお金は五分にして
後は貯金か国債か
末には大きな蔵も建つ

僕の考え聞いとくれ
電気の節約まず早寝
早く寝るから早起きさ
たっぷり時間があるゆえに
朝は会社へ歩いて行く

私のプランも話しましょう
モンペも新規に作らずに
貴方のズボンの縫い直し
貴方と二人で居るような
気がして気強い防火班

皆身の為国の為
力を合わせて頑張ろう
遠い戦地の弾丸の中
兵隊さんに負けぬよう
銃後は一億総襷