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陸・海軍礼式歌
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作詞 東辰三

死に物狂いの敵兵に
決死の突撃した様は
筆にも書けない話せない
俺の手帳の端染めた
血潮がその日の覚書

手柄話も新しく
切れる迄は種切れだ
今日も陣中で俺こその
功名争い聞いてみりゃ
何の事だい髭比べ

国から便りがやっと来た
髭の手前も在らばこそ
躍り上がって駆けつけて
あいつは手紙を抱き締めた
こいつは読んだよ声高く

慰問袋のキャラメルを
手にして気付いた今日こそは
可愛い坊やの誕生日
一つ残らず支那の子に
やって偲んだあの笑顔

晴れのち曇り夜は雪
雪が清めるこの戦場
近いぞ平和の春の日が
ここに萌えてる芽はやがて
隅無く受けよう日の恵み
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作詞 伊藤松雄
作曲 辻順治

戦の塵か 白雲か
梢の端を睨みつつ
角木の柄を握りつつ
陣中香月将軍よ

銃後の力あればこそ
心の糧に魂も
雄々しく勇み全軍は
皇国の揚威発揚す

我等が軍旗行く所
尽忠無比の精鋭に
敵無し見よや勝鬨を
民生慕う民の声

されど数多の将兵よ
東洋平和の聖戦に
犠牲となる将軍の
心の内ぞ 偲ばるる
作詞 豊旗照太郎
作曲 中山晋平

戦も強いが心臓も
強いが自慢の部隊長
部下の手柄に男泣き
涙で濡らす鉄兜
しっかりやろうぜ国の為
しっかり銃後もやってくれ

慰問袋のキャラメルに
シャツも嬉しい肌触り
今朝の寒さは毛糸も
柳も震える むら時雨
しっかりやろうぜ国の為
しっかり銃後もやってくれ

どこが痛むと訊かれたが
何が痛かろ苦しかろ
決死の覚悟 前線へ
も一度行きたいそればかり
しっかりやろうぜ国の為
しっかり銃後もやってくれ

弾丸はふんだん食料も
そうとは欠かさぬ引き受けた
俺は名誉の特務兵
馬も嘶け 行き倒れだ
しっかりやろうぜ国の為
しっかり銃後もやってくれ
作詞 坂本修二郎
作曲 三界稔

燃ゆる闘志を弾雨に晒し
進み進んで幾百里
歌う軍歌も高らかに
軍馬と共に討匪行

篠付く雨に肌着も濡れて
煙草切なや火も点かず
乾麺麭は既に無く
糧食輸送の術もなし

暁破る砲軍の響き
嘶く軍馬 弾の音
飢えてはいるが何のその
またも乗っ取る敵の陣
作詞 日本詩人会

熱風炎々冀察ぞ燃ゆれ
皇軍長き隠忍の
艱苦の血潮滾る秋
銃後の守りいや固し
頼む御国の将兵よ

戦雲冥々北支を包む
皇軍今や旗風に
輝く平和招くべし
正義の為に打ち起てり
頼む御国の将兵よ

赤誠稜々祖国の光
国民挙り挺身の
意気今高く揚がりつつ
征後の担いげに強し
頼む御国の将兵よ

皇恩明々隣への誼
彼より破る暴戻に
鮮血注ぎ銃火燃ゆ
今早や許す時ならず
頼む御国の将兵よ

神風搖々河北に起こる
軍民共に殉難の
熱血国を挙ぐる時
力を合わす諸声ぞ
頼む御国の将兵よ
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