戦場子守唄（月は照る照る）

作詞　佐伯孝夫
作曲　細田義勝

月は照る照る　戦地は更ける
故郷の坊やよ　もう寝たか
たとえ父さん留守じゃとて
寝んね泣かずにするんだよ

寝んねする子にゃ　お土産上げる
鉄の兜に機関銃
坊や良い子だ　寝んねしな
泣けばお月がまた曇る

遠く遥々戦地の夜明け
坊や偲んで子守唄
いつか眠った父さんの
夢に来る来る笑い顔

戦線だより

作詞　宇野美樹
作曲　鈴木静一

今朝は遥々戦線便り
読めば泣かねど涙で滲む
武勲を立てたの筆の跡

大和心は斃るる迄も
奮うに翳して御国の護り
雄々し姿が目に浮かぶ
無事で帰れの未練は持たぬ
神に捧げる銃後の祈り
せめて死ぬ日を勇ましく

戦線は呼ぶ

作詞　高木健夫
作曲　斉藤佳三

戦線は呼ぶ君を呼ぶ
日頃勤しむ生業を
さらり離れて武者震い
やってくるよとただ一語

征け征け断固征き給え
銃後は堅し恙無し
征きて屠れよ斬りまくれ
暴戻非道の敵の軍

西は夕焼け今頃は
燃えて熱かろ鉄兜
水筒上げて戦友を呼び
分けて飲む身も敵の空

ああ勇ましきもののふの
鉄の腕に守りあれ
夢は飛ぶ飛ぶ戦場の
目覚し君が功しへ

慰問袋に畳み込む
千人針や守り札
灯影に浮かぶ幻は
空の荒鷲爆撃機

風生臭き夏草の
万里は原を進む旗
銀翼高き日の丸の
行く手に揚げよ万々歳

戦線春だより

作詞　横澤千秋
作曲　細川潤一

花は咲いたか故国の友よ
わしは元気で敵前暮らし
向かうトーチカ　日和を聞けば
いずれここらも花盛り　花盛り

占領ばトーチカ可愛いものよ
今じゃわしらの仲良し寝床
草も芽を出しニコニコ顔
戦争知らずに　薄紫　薄紫

今朝も匪賊のヨロヨロ弾が
河の結氷に身投げを図る
氷固くて　肘鉄食わせ
弾丸は振られて空滑り　空滑り

固い氷も溶かせば溶ける
日本部隊の睨みで溶ける
真似もさせない敵前渡河に
波浪も治まる　鬨の声　鬨の声

山の敵地の斑の雪が
とても旨えなお餅に見える
敵か餅奴か　餅奴か敵か
食って掛かれば　洒落たもの　洒落たもの

戦線百里

作詞　若杉雄三郎
作曲　鈴木静一

進軍進軍だ　野越え山越え進軍だ
トコテテ喇叭　吹いて戦線百里
赤い夕陽が沈むぞえ

塹壕塹壕だ　明るい月夜の塹壕だ
土嚢枕に　仮寝の夢は
遠い故郷の　母の顔

吶喊吶喊だ　小癪な奴めと吶喊だ
敵は逃げ足　そら突き進め
何のクリーク　一跨ぎ

空襲空襲だ　要塞目掛けて空襲だ
撃ってどんと撃って日頃の手並み
弾丸が無くなりゃ　肉弾戦

進軍進軍だ　野越え山越え進軍だ
トコテテ喇叭　吹いて戦線百里
今日も吹雪で　日が暮れる

占領占領だ　日の丸揚げて占領だ
汗と涙を　一緒に拭いて
これが泣かずに　おらりょうか

万歳万歳だ　お城の上から万歳だ
小手を翳して　敵陣眺め
長い苦労も　消し飛んだ