勇士は朗らか

作詞　佐藤惣之助
作曲　斉藤潔

朝は戦い夕べにゃ陥す
敵の陣地がその日の寝床
赤い夕陽に歌もおけさで
風呂を焚く

野菊咲くよなあの丘越えて
久し振りだよ故郷の匂い
来たよ来ました占領祝いの
握り飯

伸びた髭面互いに剃れば
俺も若いが貴様も若い
来るか一番行こか一番
五人抜き

西が赤いぞ日和だ晴れだ
銃を磨いて休めよ勇士
やるぞ明日も皆元気だ
朗らかだ

夕陽に吟ず

作詞　南條歌美
作曲　山下五朗

落ち行く夕陽　背に浴びて
眺むる敵のあの砦
明日は陥して見せるぞと
胸を叩けば血が躍る

覚悟を決めて仰ぎ見る
夕焼け雲の美しさ
勝ってみせると眉を上げ
抜けば玉散る日本刀

王師百万驕虜を征す
野戦攻城屍山を作す

総攻撃を明日にして
悠々吟ず詩の声
聞けば空行く鳥さえも
心なしかよ鳴いて行く

翼賛親子

作詞　岡本一平
作曲　佐々木俊一

貴方に服　買わしょ
父さんに服　買わしょ
真っ平御免よ　新体制だ
質素にしょ
そんなら服屋へなぜなぜ行った
あれはランラララン
あれはランラララン
作りはしません
ランララランと継ぎ当てに

貴方に飯　食わしょ
父さんに飯　食わしょ
真っ平御免よ　新体制だ
節米にしょ
そんなら食堂へなぜなぜ行った
あれはランラララン
あれはランラララン
御飯は食べない
ランララランとパン食べに

貴方に　お八つにしょ
父さんに　お八つにしょ
真っ平御免よ　新体制だ
間食せん
そんなら三時にどちらへ行った
あれはランラララン
あれはランラララン
お八つはしないよ
ランララランとスポーツに

貴方に酒　飲ましょ
父さんに酒　飲わしょ
真っ平御免よ　新体制だ
時間外
そんなら徳利をなぜなぜ下げた
あれはランラララン
あれはランラララン
いささか御神酒を
ランララランと神棚へ

李さん王さん

作詞　佐藤惣之助
作曲　上原げんと

隣の李さん起きたかね
今日も元気で仲良く皆して
元気で進む日軍の
鉄道工事の手伝いに
日の丸振って行こうかね

隣の李さん待ってたね
村にも平和がやって来て
鉄道工事が終わったら
お前のとこのあの娘
倅の嫁にくれんかね

王さんそれなら結構だね
倅も娘も幸せだ
お前も俺等も幸せだ
晩には小さく前祝い
二人で一杯やろうかね

李さんこいつは嬉しいね
物の分かった日本と
皆で仲良く手を取って
平和な支那になるように
一生懸命やろうかね

エイホエイホ　ドッコイショ
エイホエイホ　ドッコイショ

流浪の旅

作詞　後藤紫雲
作曲　宮島啓二

流れ流れて落ち行く先は
北はシベリア南はジャバよ
いずこの土地を墓所と定めん
いずこの土地の土と終わらん

昨日は東今日は西と
流浪の旅はいつまで続く
果て無き海の沖の中なる
島にでも良し永住の地欲し

思えば哀れ十八の春に
親の御胸を離れて来てより
過ぎ来し方を思いて我は
遠き故郷の御空ぞ恋し