大日本傷痍軍人歌

作詞　相馬御風
作曲　海軍軍楽隊

歓呼の波を押し分けて
勇躍門出したる日の
覚悟は今も変わらねど
ああ我惜しや傷付けり

我傷付けりされど見よ
尽忠国に報ぜんと
立てし誓いに今もなお
赤誠勇武の血ぞ燃ゆる

我等その身は傷付けど
死線は既に越えて来ぬ
千難万苦も何のその
心と意気のつわものぞ

畏きかなや大君の
御稜威の下に我等行く
神守りませとのたまうわず
御憐みぞ有難き

元より君の御為に
捧し身なり生きの身の
生きの限りは日の本の
心の花のつわものぞ

前途は遠し皇国の
使命果たさで止むべきか
大和武夫の真心の
一徹何か成さざらん

胸に翳せと賜わりし
輝く徽章に込め給う
大御心を戴きて
勇士の実を顕さん

楽しい奉仕

作詞　吉川鷲美
作曲　伊藤翁介

お早う朝から　良い天気
鍬もシャベルも　担え銃
もんぺ鉢巻　にっこりと
楽しい奉仕だ　さあ行こう

見てくれこの意気　この力
どこへ行っても　模範工
やるぞ果たすぞ　前線の
苦労を偲んで　玉の汗

がっちり組んだ　この腕
皆元気で　荒仕事
何の地の下　恐かろう
やり抜け勝ち抜け　勤労だ

御国へ感謝の　真心を
込めた一鍬　一鎚に
亜細亜興せの　音がする
明るい奉仕だ　さあ行こう

忠霊塔の歌

作詞　百田宗治
作詞　片山穎太郎

私の前に立っている
皆の前に多っている
計り知れない大きさで
高い雲間に聳え立ち
ああ頂は天を衝き
神の宮居に届いてる
神の御声を聞いている

私の中に立っている
皆の中に立っている
目さえ閉じたら一億の
胸の奥所に仄白く
ああ永久の護り神
清く雄々しく揺ぎ無く
塔は聳えるいつまでも

ああ幾万の幾千の
国を護った人達が
心静かに抱き合って
眠る誉の墓所
ああその見えぬ勲功が
築く明日の国の楯
築く東亜の空の楯

鉄の千人針

選定　陸軍機甲本部
作曲　江口夜詩

千人針は　妻や子の
心を込めた　布の楯
進み行く夜の　戦には
走るトーチカ　鉄の楯
さあさ　あげましょう　捧げましょう
心も鉄の　千人針よ

兵隊さんは　敵を追う
脚と力の　根の限り
今では走る　鉄の楯
頼むよ白旗　立てるまで
さあさ　あげましょう　捧げましょう
心も鉄の　千人針よ

千人針の　その誠
積めば出来ます　機甲団
糸の結びの　数程に
無敵戦車や　自動車を
さあさ　あげましょう　捧げましょう
心も鉄の　千人針よ

届け銃後へこの心

作詞　藤田まさと
作曲　宮脇春夫

吼ゆる海原　ただ黙々と
護る封鎖の　幾年ぞ
重い任務の　五尺の体
俺は銃後の　血で生きる

暮るる甲板に　戦友集め
共に分け合う　慰問品
故郷の妹に　良く似た字だと
側で誰かの　声がする

遠慮なさらず　不自由な物が
言って下さい　送ります
慰問袋の　便りの主は
どんな人だろ　顔見たや

戦する身に　銃執る胸に
通う真心　清き品
きっとやるぞと　祖国の空に
誓う勇士は　男泣き