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陸・海軍礼式歌
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作詞 島田磬也
作曲 佐藤富房

轟く凱歌その中に
白木の棺と変わりたる
声なき戦友の凱旋を
迎える我は涙のみ

ああ今もなお耳を衝く
暁寒き突撃に
倒れし我を抱き起こし
励ます戦友のあの声よ

思えば悲し打ち笑みて
見える戦友は今は亡く
棺の前に額づきて
捧げる銃のこの重さ
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作詞 大木夫
作曲 須藤五郎

日出ずる国の朝ぼらけ
紅き撫子色添えて
咲くよ匂うよ誇らしく
瞳を上げて輝かに
希望に燃ゆる我は乙女よ

山脈遠き青空に
巣立つ小鳥は遥遥と
飛ぶよ翔けるよいや高く
瞳を上げて健やかに
憧れ深き我は乙女よ

荊棘の繁く続くとも
道は一筋峠道
星が光るよ闇夜にも
瞳を上げて真清かに
操は固き我は乙女よ

日出ずる国の朝ぼらけ
谷の白百合露更けて
咲くよ匂うよほのぼのと
瞳を上げて涼やかに
心は清き我は乙女よ
作詞 伊藤松雄
作曲 三宅幹夫

昨日も吹雪今日も雪
暗い冷たい塹壕に
皇国思えば花の春
母が頼りの押し花は
咲いて散れとの謎かいな

昨日も吹雪今日も雪
昨日の戦友は今いずこ
皇国思えば花の春
銃を執る身は野嵐に
吹かれて消ゆる白露よ

昨日も吹雪今日も雪
雪や氷に閉ざされて
皇国思えば花の春
笑って死んだ戦友に
捧げる花さえ無いものを
作詞 新居あづま
作曲 服部良一

これが別離ぞこの次に
見えん時は沈黙の
白木の棺よその折も
「万歳」頼むと笑いたる
祖国の勇士は今還る

赤き夕陽の戦場に
屍を越えて血に染みて
進みし人の凱旋と
思えば心躍れども
憐れ勇士は物言わず

あの日別れに誓いたる
白木の棺の目の当たり
祀るも冷く惨ましく
護国の鬼と冴ゆるさえ
今日を悲壮の故郷や

桜花と薫りし殉忠の
輝く武勲永久に
誉れは今か極まれど
野萩に白し秋風の
君は無言の凱旋よ
作詞 佐藤惣之助
作曲 江口夜詩

銃は執らねど戦線駆けて
征くは北支の空の上
僕も戦士だ従軍記者だ
ペンを剣に敵を衝く

赤い心の千人針を
巻いて飛び立つこの門出
僕の手柄が知りたいならば
電光ニュースを街で読め

進む機上に敵弾分けて
かける辛苦も祖国の為
命捧げし決死のニュース
明日は紙上の花と咲く
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