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陸・海軍礼式歌
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作詞 金谷礦一


釣瓶放しの弾丸は
夏の夕べの夕立か
小春の朝に降る雹か
山の端包む叢雲は
晴れても暗き玉煙
響く筒音凄まじく
山も崩るるばかりなり
砲煙弾雨のその中に
屹立なして剣を振り
士卒を励ます大将は
これぞ立見の少将と
聞きては怖ずる鬼神の
勇威をかねし良将ぞ
勇猛無比の将軍ぞ
それに従う兵士は
死をだも辞せぬ日本武士

命は軽く思えども
義を泰山の重しとし
死地に望みて辞せず
国の為には梓弓
引きて返るの心をし
牡丹の台の要害も
何恐ろしき事あらん
獅子とも降りて破りなん
大同江の川浪も
何恐ろしき事あらん
龍ともなりて渡りなん
我は獅龍に恥じぬなり
敵の大軍何のその
クルップ砲も何のその
無煙火薬も来いからず
討たば大軍破れなん
クルップ砲は人為なり
無煙火薬も全じと
我に勝るものあるぞ
我の勝れるそのものは
クルップ砲にも勝るなり
無煙火薬も及ばざる
火にも焼けざる魂ぞ
日本魂ある猛者の
何とて敵を恐るべき
クルップ砲も何のその
進めや進め諸共に
死地に入らねば生を得ず
死する覚悟で進めよや
獅子にも恥じぬ勇持ちて
龍にも優る威を持ちて
牡丹の台を破るべし
進めや進め皆ともに
皆諸共に進み行く
様を見るより内ち出だす
弾丸は一入劇しきも
死を決したる武士は
恐れもなさで屍の
山や血の川踏み越えて
牡丹台へと取りつめぬ
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