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陸・海軍礼式歌
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作詞 梅村癡耕


頃は七月末つ方
茜指す太陽に朝霧も
晴れて身に染む朝ぼらけ
我が帝国の軍艦は
朝鮮国の岸近き
豊島沖へ掛かりけり
あある所へ向かうより
支那の軍艦寄せ来たり
物をも言わず我が軍に
切って放せし弾丸は
雨か霰かほとばしる
浪の飛沫か降る雹も
斯くやと計り思われぬ
あある卑怯の挙動を
事ともせざる我が艦は
咄嗟の隙に軍備なし
浪の白泡蹴上げつつ
敵艦目掛け砲撃す
その凄まじき勢いに
主客所を異になし
卑怯が常の清艦は
船足早く逃走す
行くをやらじと追い掛ける
我が軍艦と老朽し
敵の船との挑合い
いかで相手になるべきか
清兵千五百人
乗せて来りし敵艦は
ただ一弾に沈められ
清国一と聞こえある
操江號は我が方に
捕獲されたる不始末の
原因は自ら招きたる
禍なれば是非もなし
東半球の大陸に

我が大国に及ぶもの
無しと誇りし清国が
海の隅なる一孤島
日本国に打ち負けし
その見苦しき敗北は
西の隅から東なる
国の果てまで伝わりて
世界万国万国の
物笑いぞとなりにける
朝日に匂う桜花
日本国に比べては
国大なれど清国は
総身は知恵の回らざる
弱虫なれば是非もなし
獨活の大木彼の国は
今に日本の属国ぞ
今に日本の属国ぞ

進めや進め諸共に
支那の都は進み入り
我が日の本の威を示せ
我が日の本の威を示せ
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