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陸・海軍礼式歌
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作詞 西條八十
作曲 古関祐而

祖国日本よいざさらば
今宵別れの瀬戸の海
俺は覚悟の旅に立つ

心残りは無いけれど
可愛い妹がただ一人
友よ行く末頼んだぞ

夢の浮世の二十年
駒の手綱に夢覚めて
俺は御国の為に散る

指して行く手は大陸の
砂漠の果ての日の御旗
あれが男の死にどころ

日本男児の鉄腕を
撫でて眺める海の果て
凱歌の波に昇る月
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作詞 西條八十
作曲 古関祐而

飛んで寒かろ冬田の雀
今日もちらちら藁家の恒
満州思わす思わす雪が降る

我が子可愛いや御国の柱
早く名誉の大功立てた
旗が揚げたや揚げたや雪恒

雪に心がもしあるならば
積もれよ降れよ満州の空は
母の想いで想いで温かに
作詞 林柳波
作曲 細川潤一

昨日は東今日は西
胡沙吹く風に梳り
篠衝く雨に湯浴みして
祖国の為に剣執る
剛勇無比のますらおも

リラの花咲く野の遥か
遠山霞立つ見れば
故郷の事偲ばれて
ああ父母は今いかに
ああ兄妹は今いかに

弦月淡く夜は更けて
楊柳風に揺れ立てど
国境百里声も無く
野営の夢は破れたり

覚めれば常に微笑みて
銃火に晒すこの体
いざ我が友よ我死なば
鉄の兜に骨を盛り
生命線の楯となせ
作詞 高田保
作曲 橋本成美

十八歳の美少年
ニッコリ笑った魂は
どこに浮かぶあの雲は
開かなかったパラシュート

希望の笛高鳴りも
今は血染めの飛行服
鳩は翼を閉じたまま
開かなかったパラシュート

哀れ優しい兄だった
弟の目に今もあり
ああ兄さんと呼ばわれど
開かなかったパラシュート

あれも血染めか茜富士
洲崎の海は暮れてきた
ああの星は君の瞳か
開かなかったパラシュート

いつかまた見ん雲の中
ぱっと開いた銀の花
その花に乗る美少年
開かなかったパラシュート
作詞 宮本吉次
作曲 鳴瀬純平

可愛いあの人初年兵
露満国境の警備隊
さぞや寒かろ冷たかろ
思えや満州の空恋し

忍ぶ恋路の仲なれど
晴れて凱旋なさるまで
私貴方の妻として
愛しい親御を守ります

雪はチラチラ日が暮れて
今日も出て見る北の空
せめて露営の夢にでも
胸の想いが通よやよい
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