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陸・海軍礼式歌
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作詞 松村又一
作曲 天池芳雄

兄が戦地へ門出の日から
私ゃ流れの渡し守
たとえか弱い乙女じゃとても
心きりりの紅襷

朝は朝霧夜はまた夜霧
濡れて真菰の中を行く
慣れぬ苦労も銃後の務め
何で辛いと思いましょ

照る日曇る日思いは遥か
櫂を片手に空眺め
偲ぶ戦地に貴方の姿
さても雄々しの鉄兜

昨日届いたお便り胸に
私ゃ流れの渡し守
水に砕ける月影眺め
唄で真菰の中を行く
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作詞 樋口晴雄
作曲 飯田景応

カルタ遊びか真紅な酒か
風に途切れるジャンクの騒ぎ
雨の波止場はランタンばかり
ああ支那の旅一夜

咽ぶ胡弓も途絶えた後は
誰かどこかでひそひそ話
窓を見上げて佇む影か
ああ支那の旅一夜

雨に夜更けて小窓を閉めりゃ
紅のガラスに糸引く蜘蛛よ
支那の娘の耳輪も侘し
ああ支那の旅一夜
作詞 若杉雄三郎
作曲 近松貞

坊や良い子だねんねしな
坊やの父さんどこへ行った
あの山越えて海越えて
遠い戦地へ行きました

坊やの父さん今頃は
月の露営の仮枕
可愛い坊やの夢を見て
にっこり笑っているでしょう

坊や良い子だ母さんと
どんな苦労も忍びましょう
今に大きくなったなら
立派な手柄を立てましょう

ねんねおしおしねんねしな
ねんねした子に何をやろ
いえいえ坊やの大好きな
夢に父さん出て来ましょ
作詞 島田磐也
作曲 鈴木哲夫

忘られぬ忘られぬ
忘れられない君ゆえに
胸に点す愛の灯よ
別れた後も思い出す
白く寂しき蘭の花

呼べばとて呼べばとて
呼べど帰らぬ若き日の
愛の小鳥を知るや君
愁いの影は無けれども
夢を支えし蘭の花

夢なれば夢なれば
夢と思えばなおさらに
秘めて祈るは君が幸
汚れを知らぬ涙こそ
清く輝く夜半の月
作詞 秩父重剛
作曲 飯田景応

ここは大陸夕陽が沈む
霞む御空に二日月
銀の小櫛か引毛の眉か
影もか細い支那娘

支那のクーニャン哀れなものよ
風に嬲られ火に打たれ
若い命の夢さえ破れ
壁にもたれて忍び泣き

泣くなクーニャン住処は無いか
親は無いのか逸れたか
弱い君等をいじめる為に
戦する身の俺じゃない

隣同士の国ではないか
共に助けて暮らそうよ
憂さも辛さも過ぎたじゃないか
お聞き興亜の鐘が鳴る
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