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陸・海軍礼式歌
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作詞 西條八十
作曲 大中寅二

氷の下に埋もれて
気温は零下四十度
吹雪の中に屯する
雄々しの勇士を忘るるな
感謝に燃えて伏し拝め
ああアリューシャン
アリューシャン

眠りも浅き暁の
夢驚かす爆音は
憎き敵の空襲ぞ
すわやと勇士戟を執る
感謝に燃えて伏し拝め
ああアリューシャン
アリューシャン

身を裂く寒気霧の中
故郷を想う日もあれど
日本男児この屍
笑って埋めん雪の底
感謝に燃えて伏し拝め
ああアリューシャン
アリューシャン

輝く北斗七星の
高き御稜威を讃えつつ
ああ彼等在り皇国の
北の守護に揺るぎ無し
感謝に燃えて伏し拝め
ああアリューシャン
アリューシャン
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作詞 深尾須磨子
作曲 福井文彦

肉を切らせて骨を断ち
骨を切らせて髄を断つ
尊いニュース聞く度に
大和心の血が躍る
撃たで止まじの血が躍る

我に続けと軍神の
声は天地を轟かす
総力戦の勇ましさ
大和心の血が躍る
撃たで止まじの血が躍る

目指すロンドンワシントン
進む光よ一億の
行く手を阻む者も無し
大和心の血が躍る
撃たで止まじの血が躍る
作詞 時雨音羽
作曲 佐藤長助

海涛逆巻く北洋の
霧氷花咲くアッツ島
祖国防衛一線に
重き使命を担いたる
我が精鋭の山崎隊

時は五月の十二日
突如と起こる喚声は
多勢を頼む敵部隊
南と北と東より
雲霞の如く押し寄せぬ

熱血滾る神兵に
やわか起つべき剣ぞある
まず東岸の敵主力
水際近く引き寄せて
木っ端微塵に殲滅す

されども敵は新しき
装備を誇る数二万
我は僅かに二千余騎
心ばかりは逸れども
衆寡は敵せず口惜しき

驕れる敵は物量の
海陸空に物言わせ
休む暇無き猛撃を
怯まず今日も押し返す
神の姿ぞ我が勇士

手もて引き裂き歯もて噛み
岩と土とを血に染めて
死闘は続くああ二旬
屍と血潮のその中に
残るは僅か百余名

最後の一兵ある限り
敵に自由は許さじと
決意も固く眉上げて
日本刀を握り締め
敵陣睨む部隊長

部下の屍の中に立ち
血涙払う隊長は
はやこれまでと意を決し
主力を求め敵陣に
最後の突撃なさんとす

白夜に濃霧立ち込めて
二十九日の夜暗し
遥かに皇居伏し拝み
敵陣深く斬り込みて
無念や玉と砕けたり

ああ北海の湊川
二千余名の大楠公
壮烈万朶桜花と散り
死して護国の鬼と化す
誉れは高し山崎隊
作詞 清水操六
作曲 上原げんと

小風微風カルマタ走れ
緑輝く並木路
愛し子馬のその名はポニー
鈴の音さえいそいそと

靡く鬣お目々は可愛い
歩む足音なお可愛い
楽しポニーは日の丸立てて
街を東へまた西へ

乗せたお客の煙草の煙
交わす言葉もコンニチワ
いつか覚えた日本の歌を
鳴らす口笛朗らかに

赤い夕焼けマニラの空は
今日も静かに暮れて行く
明日を思えば心も楽し
走れポニーよ星が出た
作詞 佐藤惣之助
作曲 上原げんと

長江上る我が船の
上を流るる黄金の月に
若い瞳よ溢るる心
支那の空支那の水
赤いジャンクのランタンさえも
花の流れかああ懐かしや

紫霞む南京の
山よ灯影よ流るる雲よ
宵のデッキで遥かに望む
支那の空支那の水
月の光に仄かに揺れて
響く胡弓のああ夢を呼ぶ

真珠のように美しい
星は楽しい航路の友よ
幸を祈りて夜毎に拝む
支那の空支那の水
急げ我が船漢口指して
西へ千里のああ旅心
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