作詞 西條八十
作曲 中山晋平
ここは北満大興の
白雪深き広野原
重き使命を身に負うて
進む三人の勇士あり
任務は難き斥候の
敵の陣地を探りつつ
雄々しく進む折柄に
俄に囲む支那の勢
古澤少尉は勇ましく
小銃執りて応戦し
火花を散らすその中に
声張り上げて叫ぶよう
逃れよ山田一等兵
急ぎ逃れてこの山を
我が連隊に報ずべし
我等はここに討死せん
拒む術無き上官の
命令なれば是非も無や
涙払いて一等兵
軍馬に鞭を当てたれど
雲霞の如き敵軍の
包囲の中に路も無く
真っ只中に乗り込んで
ここに先ずと薙ぎ立てる
されど衆寡は敵しかね
阿修羅の如き勇卒も
人力尽きて敵軍の
捕虜となるる口惜しさよ
捕虜と成りて長春の
昼なお暗き牢獄に
鋭き敵の訊問の
鞭を忍ぶ一等兵
我は日本の兵士なり
身は八つ裂きにさるるとも
いかでか敵に我が軍の
重き軍機を洩らさんや
牢獄の窓を洩る月に
別れし友を案じつつ
眠りもやらぬ真夜中に
扉を開く鍵の音
今こそ迫る銃殺と
覚悟の臍を固めつつ
戸口を見ればこはいかに
我朝鮮人の一看守
人目を忍ぶ風情にて
早く逃げよのその手振り
天の佑けと躍り立ち
走り出づるも夢心地
月さえ凍る長春の
冬の大地に落つる影
感謝の涙歓喜の
涙に抱く影二つ
折りも響く皇軍の
進軍喇叭のほりぼのと
内鮮融和の花開く
北満の野ぞ嬉しけれ
作曲 中山晋平
ここは北満大興の
白雪深き広野原
重き使命を身に負うて
進む三人の勇士あり
任務は難き斥候の
敵の陣地を探りつつ
雄々しく進む折柄に
俄に囲む支那の勢
古澤少尉は勇ましく
小銃執りて応戦し
火花を散らすその中に
声張り上げて叫ぶよう
逃れよ山田一等兵
急ぎ逃れてこの山を
我が連隊に報ずべし
我等はここに討死せん
拒む術無き上官の
命令なれば是非も無や
涙払いて一等兵
軍馬に鞭を当てたれど
雲霞の如き敵軍の
包囲の中に路も無く
真っ只中に乗り込んで
ここに先ずと薙ぎ立てる
されど衆寡は敵しかね
阿修羅の如き勇卒も
人力尽きて敵軍の
捕虜となるる口惜しさよ
捕虜と成りて長春の
昼なお暗き牢獄に
鋭き敵の訊問の
鞭を忍ぶ一等兵
我は日本の兵士なり
身は八つ裂きにさるるとも
いかでか敵に我が軍の
重き軍機を洩らさんや
牢獄の窓を洩る月に
別れし友を案じつつ
眠りもやらぬ真夜中に
扉を開く鍵の音
今こそ迫る銃殺と
覚悟の臍を固めつつ
戸口を見ればこはいかに
我朝鮮人の一看守
人目を忍ぶ風情にて
早く逃げよのその手振り
天の佑けと躍り立ち
走り出づるも夢心地
月さえ凍る長春の
冬の大地に落つる影
感謝の涙歓喜の
涙に抱く影二つ
折りも響く皇軍の
進軍喇叭のほりぼのと
内鮮融和の花開く
北満の野ぞ嬉しけれ
野村俊夫 南 良介
雪の戦線氷を踏んで
護る兵一万騎
すわや寄せ来る不逞の輩
乱れて弾の雨霰
馬は倒れる心は疾る
手綱持つ手は血の氷柱
鉄の兜に雪降り積んで
堪ぬ寒さの武者震い
捨てる生命に未練はないが
温い焚き火がしてみたや
両手擦って息吹きかけて
握る筒先凍傷の傷
死なば共にと誓いし戦友と
寒さ凌ぎの抱き寝合い
雪の褥に氷の枕
被る外套に夜の霜
寝覚めがちなる露営の夢を
月は冷たく顔に照る
夜半の嵐にふと目を覚ましゃ
明日も冷たい雪模様
昨日届いた故郷の手紙
雪の明かりに透かして読めば
恋し便りは母御の筆で
御国の為死ねとある
どうせ命は捧げた身ゆえ
白い襷も二度三度
死ぬる覚悟で突貫すれば
武運拙く怪我もせず
熱い情けの慰問の真綿
恥を知れよと身に染みる
雪の戦線氷を踏んで
護る兵一万騎
すわや寄せ来る不逞の輩
乱れて弾の雨霰
馬は倒れる心は疾る
手綱持つ手は血の氷柱
鉄の兜に雪降り積んで
堪ぬ寒さの武者震い
捨てる生命に未練はないが
温い焚き火がしてみたや
両手擦って息吹きかけて
握る筒先凍傷の傷
死なば共にと誓いし戦友と
寒さ凌ぎの抱き寝合い
雪の褥に氷の枕
被る外套に夜の霜
寝覚めがちなる露営の夢を
月は冷たく顔に照る
夜半の嵐にふと目を覚ましゃ
明日も冷たい雪模様
昨日届いた故郷の手紙
雪の明かりに透かして読めば
恋し便りは母御の筆で
御国の為死ねとある
どうせ命は捧げた身ゆえ
白い襷も二度三度
死ぬる覚悟で突貫すれば
武運拙く怪我もせず
熱い情けの慰問の真綿
恥を知れよと身に染みる
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