光に立つ

作詞　戸川貞雄
作曲　古関祐而

恋も命も人の世の
儚き夜の夢覚めて
男栄えある赤襷
かけて光に立つは誰

男心のつれなさを
恨んで泣いた夜の雨
晴れて逢う日の大陸に
歌う大和の女郎花

若い命の喜びに
今蘇える朝ぼらけ
越ゆる希望の青春の丘
昇る朝日に血は踊る

おもいでの都

作詞　佐藤惣之助
作曲　古賀政男

東山から紅染めて
昇る河原のお月さん
長い袂を抱き締めて
泣いて別れたあの晩に
加茂の柳も散りました

愛し都の思い出に
買うて貰うた美しい
舞妓人形と二人して
夢に見ながら泣きながら
偲ぶ南の旅の空

船は行く行く海の上
晴れて明るいお月さん
いつかいざよう十七の
秋が来たよな寂しさに
一人ほろりと泣きました

天から煙草が

作詞　北原白秋
作曲　飯田信夫

天から降って来た巻煙草
吸わずにいらりょかこりゃ旨い
一口回しだスッと吸ってパ
何と翼の爽やかさおい
でかしたでかした海の鷲

天から背負って来た巻煙草
撒かずにいらりょかそりゃ受けた
一口回しだスッと吸ってパ
何と陣地の朗らかさおい
がんばれがんばれ鉄兜

天から飛んで来た巻煙草
受けずにいらりょかこりゃ誉
一口回しだスッと吸ってパ
何と香りの素晴らしさおい
ありがとありがと陸の鷲

天からやって来た巻煙草
分けずにいらりょか暁だ
一口回しだスッと吸ってパ
何と覚悟の頼もしさおい
突っ込め突っ込め日の丸だ

再見上海

作詞　木原たけを
作曲　江口夜詩

朝の出船の鴎の唄は
名残惜しむか上海の
霧の港で別れた宵は
涙ぐんでたあの街の灯よ

港離れりゃ波風任せ
何を未練の涙雨
男支那海乗り切るまでは
鳴いてくれるな上海千鳥

夢の四馬路の胡弓の歌よ
思い出す夜の窓の月
せめて名残のランタン点けて
娘歌えよ日本の歌を

タリナイ・ソング

作詞　コロムビア・リズム・ボーイズ
作曲　服部良一

一人来な二人来な
三人来たら寄って来な
ワンツースリーフォー
四人寄ったらリズムに乗って
さあ皆さん
聞いて下さいタリナイ・ソング

足りない足りないお米が足りない
なんて言う奴元気が足りない
雨降り足らなきゃ飲み水足りない
水が足りなきゃ水酒足りない
産めよ増やせよ人間が足りない
人間足らんのに貸家が足りない
おかしな話だ
タリナイタリナイタリナイタリナイ

これ程足りない世の中に
まるきり足らないものがある
皆さん良く聞いて頂戴な
ワンツースリーフォー
四人合わせて一人前
足りないはずだよ脳味噌足りない
まるきり足りない足りない足りない
タリナイタリナイタリナイタリナイ

おいらの財布にゃお金が足りない
八銭足らずでバットも買えない
煙草屋の娘にゃ愛想が足りない
なんて振られた四人が足りない
まるきり足りない脳味噌足りない
ワンツースリーフォー
四人共足りない
まるきり足りないタリナイタリナイ